今日も『文藝春秋オピニオン2023年の論点100』を読んだので感想を書きます。
今回読んだのは、藤代裕之法政大学教授の論考「フェイクニュース対策にリテラシー教育は効かない」です。
ちょっと刺激的なタイトルだったので、読んでみようかと思ったわけです。
フェイクニュース対策にはリテラシー教育が大事だ、というのが普通の考えですからね。
なぜリテラシー教育は効かないのか?
一言で言うと、SNS中毒者だから、と藤代氏は言っているように思えました。
もっと具体的に言うと次の2つの仕組みがあるからですかね。
・アルゴリズム
・アテンションエコノミー
ここでいうアルゴリズムというのは、自分好みの情報が次々と提供されるような仕組みのことのようです。
ユーチューブとかで、自分の嗜好に合った動画が次々とおすすめとして表示されますね。
あの仕組みですよ。
あの仕組みがあるので、正しい情報を探そうと思っても、自分の価値観に沿ったものばかり見せられて、結局フィルターバブルに嵌り込んでしまうのだそうな。
もう1つのアテンションエコノミーというのは、注目集めたヤツが勝ちみたいなことですね。
情報の正確性なんてものはどうでもよくて、嘘でも何でもいいから、とにかく注目されることが大事だというような。
あるSNSでは閲覧数を伸ばせば伸ばすほどお金も稼げるなんていいますしね。
こういう仕組み・風潮がある世界においては、もはやリテラシー教育なんてやってもあまり意味をなさないのではないか、というのが藤代氏の主張だったように思います。
フェイクニュース問題は、個人のリテラシーの問題ではなく、ニュースの生成・拡散する仕組み(ニュース生態系)の問題なんだそうですよ。
で、問題を解決するためには、そのニュース生態系に注目して対策をする必要があるそうです。
藤代氏は次のような解決策を提示していたと思います。
・プラットフォーム企業の規制。
・フェイクニュースを流すサイト・アカウントへの広告配信停止。
・フェイクニュースが検索に出てきにくくする
・正確なニュースを発信する媒体が稼げるようにする。
まぁ、そうですね、フェイクニュースの発生源とかに規制をかけていくのは必要なのかなと思います。
でも、嘘かホントかの見極めって難しいようにも思うんですよね。
あまり厳しくすると、それはそれで窮屈になってしまうようにも思いますし。
私は、ネットにフェイクニュースが溢れかえってても、あまり気にしないですけどね。
ネットなんてそんなものだと昔から思ってますから。
誹謗中傷とかは厳しく取り締まった方がいいと思いますけど、フェイクニュースはあまり厳しくすると言論弾圧にもつながりかねないですからねぇ。
フェイクニュースに惑わされたくないなら、一番いいのはSNSとかをやめることだと思いますよ。
スマホの電源切って、静かに本でも読んだらいいんですよ。
そうすれば、アテンションエコノミーからもアルゴリズムからも解放されます。
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